2026年7月15日水曜日

170年前に生まれた男が 今日もHFで呼びかけてくる 〜9A170NTとニコラ・テスラの話


7月13日、日付が変わる直前、14MHzのCWバンドで耳慣れないコールサインが飛び込んできた。9A170NT : Special calls for 170th anniversary of Nikola Tesla's birth
クロアチアからの記念局だ。ピンときてすぐに呼んでみたら、一発で599のレポートが返ってきた。強力な信号で、コンディションの良さを実感した瞬間だった。

この「170」という数字、ただの記念局番号ではない。
今年2026年はニコラ・テスラ (Nikola Tesla) 生誕170周年にあたり、この特別な区切りを祝って世界各地でテスラ関連のイベントが行われているのだ。日本でも8J/8Nで始まる記念局が各地のイベントに合わせて登場するのと同じ感覚で、ヨーロッパでも毎年こうした記念局が数多く運用される。テスラはクロアチア(当時のオーストリア帝国領スミリャン)生まれの発明家なので、クロアチアのアマチュア無線連盟(Croatian Amateur Radio Association, HRS)が中心となってこの記念局を運用しているというわけだ。

■ QSOの記録

この日は9A170NTに続けて、同じくスペシャルイベント局であるDL2026T(WRTC 2026記念局)ともQSOできた。同じ日に2局の記念局と交信できたのは、嬉しい出来事だった。

CALL日時(UTC)周波数MODE
備考
9A170NT2026/07/13 14:5314.027MHz CW
ニコラ・テスラ生誕170周年記念局(クロアチア)
DL2026T2026/07/13 15:0714.028MHz   CW
WRTC 2026記念局(ドイツ)

9A170NTは599/599という強力な信号で、パイルアップもさほど大きくなく、スムーズに交信できたのが印象的だった。
14MHzの夜のコンディションが良く、開けていた時間帯だったのだろう。
ちなみに、FT-8でもEUがFBにOPENしていた。

■ ニコラ・テスラという人

ニコラ・テスラは1856年7月10日生まれ。交流電力システムの基礎を築き、モーターや発電機、無線送電の研究など、今の電気の世界の土台を作った人物の一人だ。私たちアマチュア無線家にとっても、電磁気の基礎を築いた偉人として無縁ではない存在である。

面白いのは、彼が「発明家」であると同時に、かなり変わった性格の持ち主だったという点だ。数字の「3」への強いこだわりがあったことで知られていて、部屋に入る前に建物の周りを3周する、宿泊するホテルの部屋番号は必ず3の倍数を指定する、食事の前にはナプキンを3枚使う、といった逸話が伝えられている。まさに天才と紙一重のエピソードで、こういう人間味のある話を知ると、教科書の中の偉人像がぐっと身近に感じられる。

交流(AC)か直流(DC)かで争われた「電流戦争」でエジソンと対立したことでも有名だが、結果的に現代の送電網は交流方式が主流になっている。テスラの先見性がなければ、今こうしてHFの電波に乗って世界中と交信することもできなかったかもしれない、と思うと感慨深い。

■ おわりに

170年前に生まれた発明家の名を冠した記念局と、CWの符号を通じて瞬間的につながる――アマチュア無線をやっていると、こういう歴史との接点にふと出会えるのが面白い。次にどんな記念局に出会えるか、また電波の向こうを楽しみにワッチを続けたいと思う。

73 de JI1ALP







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