2026年7月17日金曜日

弟の死から学ぶ、糖尿病という「静かな病」

私事だが、今回はどうしても書いておきたいことがある。

7月15日、弟が心筋梗塞で急逝した。61歳だった。糖尿病を患ったのは20年前。そして3年前から腎不全が進み、人工透析を続けていた。20年という時間、糖尿病と付き合ってきた末の結末だった。突然のことで、正直まだ気持ちの整理がついていない部分もある。だが、この経験を自分の中だけに留めず、同世代のHAM仲間にも伝えるべきだと思い、筆を執ることにした。

結論から言おう。糖尿病は「血糖値がちょっと高いだけ」の病気ではない。何年もかけて全身の血管を静かに傷めつけ、ある日突然、心筋梗塞や脳卒中という形で牙をむく病気だ。そして、その予防と早期発見は、決して難しいことではない。今日からできることばかりだ。

今回お伝えしたい3つのポイント

  1. 糖尿病の本当の怖さは「三大合併症」と「動脈硬化性疾患」にある
  2. 自覚症状が出る前の定期検査が命を守る
  3. 食事・運動・禁煙・血圧管理という「当たり前」の継続が最大の予防策

糖尿病が本当に怖い理由 ― 「サビ」のイメージで考える

糖尿病を、水道管の内側にじわじわサビが溜まっていく現象に例えるとわかりやすい。蛇口をひねれば普段どおり水は出る。つまり自覚症状はほとんどない。しかし管の内側では、高血糖の状態が何年も続くことで、血管が少しずつ傷ついていく。そしてある日、サビが限界に達した場所で、管が完全に詰まる。それが心筋梗塞であり、脳卒中であり、弟の場合は腎不全だった。

弟は20年にわたる糖尿病の末に腎不全へと進行し、3年前から人工透析を続けていた。そして61歳、心筋梗塞で命を落とした。これはすべて、一本の糸でつながった「血管の病気」の結果だ。

代表的な合併症一覧

分類疾患名特徴
三大合併症(細い血管)糖尿病網膜症進行すると失明のリスク
三大合併症(細い血管)糖尿病腎症進行すると人工透析が必要に
三大合併症(細い血管)糖尿病神経障害手足のしびれ、感覚低下
動脈硬化性疾患(太い血管)心筋梗塞自覚症状なく突然発症することも
動脈硬化性疾患(太い血管)脳卒中後遺症のリスクが高い
動脈硬化性疾患(太い血管)末梢動脈疾患足の血流障害、壊疽のリスク

ここで重要なのは、細い血管の合併症(網膜症・腎症・神経障害)が進んでいる人ほど、太い血管の合併症(心筋梗塞・脳卒中)のリスクも高いという事実だ。弟のように透析まで進んでいたケースは、心血管疾患のハイリスク群だったと言える。

予防の柱 ― 難しいことではない

①定期検査
健康診断でのHbA1c(過去1〜2ヶ月の平均血糖値を示す指標)と空腹時血糖値のチェックが最も基本。自覚症状が出た時にはすでに合併症が進んでいることが多い。年1回は必ず受ける。
②食事
白米・パン・麺類などの糖質の摂りすぎを避け、野菜から先に食べる「ベジファースト」を意識する。腹八分目。
③運動
ウォーキングなどの有酸素運動を週150分程度。運動は血糖値を下げるだけでなく、血管そのものをしなやかに保つ効果がある。
④禁煙・血圧管理
喫煙は血管を直接傷める。高血圧の放置も動脈硬化を加速させる。糖尿病単独よりも、これらが重なった時の方が心筋梗塞のリスクは格段に上がる。

私自身のこと

私は今のところ糖尿病ではない。ただ、家族・親戚を見渡すと遺伝かと思うくらい、糖尿病を患っている者が多く、決して他人事ではないと感じている。弟の死をきっかけに、私自身も定期検査を継続し、食事と運動を見直していくつもりだ。

HAM仲間へ

コンテストやアイーボールミーティングで顔を合わせる仲間には、私と同世代、あるいはそれ以上の方も多い。無線機の前に座っている時間が長い趣味だからこそ、運動不足になりがちだし、健康診断を後回しにしてしまう人もいるかもしれない。

弟の死を無駄にしたくない。この記事が、誰か一人でも「今年は健康診断に行ってみようか」と思うきっかけになれば、弟もきっと喜んでくれると思う。

73 de JI1ALP

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